岐阜大仏に2つのお願い

正法寺の岐阜大仏

正法寺(岐阜市)の岐阜大仏は、江戸時代後期の1829年に完成しました。13.63メートルもの高さだけでなく、やさしいお顔も特徴です。見上げると、伏し目がちに見守ってくれているように感じます。

自己新の願いにOK

右手でつくる印相(いんぞう)は説法印のひとつで、「真実を説く」の意味があるそうです。しかし、現代人から見ると、「OK」の合図にしか見えません。

「けがなく完走します」「自己新記録を更新します」-。2メートルもの長い耳に語り掛けると、「それでよいぞ」とうなずいてくれているよう。

大仏を取り囲むのは、弟子の五百羅漢の百数十体。そのうちの一体は病を治すとされる「なで仏」です。脚をなでて大仏を見上げると、ハーフ走破に向けた心理面での仕上げは完璧です。

地震被災者を励ます

今、知っておきたいのは、災害被害者の供養のために建立された大仏ということ。完成後約60年の1891年には、マグニチュード8の濃尾地震が襲いました。しかし、大仏も大仏殿も倒壊を免れ、被害の多かったこの地域の人々を励ましました。能登の地震も無事、復旧してほしい。岐阜大仏にもうひとつ、お願いしたいと思います。